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曲目紹介
  ふれあいトリオがコンサートやCDで取り上げている作品の解説です。

Trio作品   Solo作品

Violin 演奏作品
Piano 演奏作品
Violoncello 演奏作品



Violin 演奏作品

プロコフィエフ:グランドワルツ〜バレエ「シンデレラ」より
解説:吉田恭子
セルゲイ・プロコフィエフ(1891〜1953)は、ショスタコーヴィッチやハチャトゥリアン、カバレフスキーらと共に、社会主義国ソヴィエト(現ロシア)を代表する作曲家です。自身が優れたピアニストであったことから多くのピアノ曲がありますが、残されている作品はあらゆるジャンルに渡り、その天才的な音の世界からたくさんの傑作を生みました。バレエ「ロミオとジュリエット」の成功により、1940年にレニングラードのキーロフ劇場から新作を依頼されたプロコフィエフは、シャルル・ペローの童話 「シンデレラ」をもとに作曲を始めます。曲は古典バレエの伝統にのった第3幕から構成され、第2幕30曲にあたるのが「グランド・ワルツ」で、個性的な旋律に彩られたしなやかで独特な雰囲気を持つワルツです。

サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
解説:吉田恭子
パブロ・デ・サラサーテ(1844〜1908)は、スペインを代表する大ヴァイオリニストまた作曲家として活躍した人で、フランスでその生涯を閉じました。彼の音楽は、受け継いでいるスペインとフランスの伝統に加え、ロマ族ジプシーと呼ばれた人たちの遊動、悲哀、衝動、情熱が表現されています。この「ツィゴイネルワイゼン」は1878年に作曲され、サラサーテの代表作として最も人気の高いヴァイオリン曲で、世界中で親しまれています。題名はドイツ語で ツィゴイネルが「ジプシー」、ワイゼンは「歌」を意味します。「ジプシー」と呼ばれたロマ族の人たちの深い哀しみを表現している曲です。曲はアレグロ・モルト・ヴィヴァーチェから徐々に盛り上がり、聴衆が息をとめて釘付けにさせられるような力強い終わりを迎えます。

サラサーテ:ハバネラop.21-2
解説:吉田恭子
パブロ・デ・サラサーテ(1844〜1908)は、スペインを代表する大ヴァイオリニストまた作曲家として活躍した人です。彼の音楽は、受け継いでいるスペインとフランスの伝統に加え、ロマ族ジプシーと呼ばれた人たちの遊動、悲哀、衝動、情熱が表現されています。この作品は、彼の祖国スペインの民族音楽をもとに作曲された「スペイン舞曲」4巻8曲からの一曲です。ハバネラとは「ハバナの踊り」という意味で、19世紀初めスペイン領だったキューバ島ハバナで生まれた官能的な舞曲です。独特のリズムに優美な旋律と華やかで多彩なヴァイオリンの技巧が聴けます。

サラサーテ:序奏とタランテラ
解説:吉田恭子
パブロ・デ・サラサーテ(1844〜1908)は、 スペインを代表する大ヴァイオリニストです。ヴァイオリニストとしてのサラサーテの名声は、楽器を自由自在に操る彼の完璧なまでの演奏技術によりました。この序奏とタランテラは、サラサーテらしい南国的な特色と名技巧が打ち出される作品です。ゆったりと伸びやかでどこか哀愁を帯びた序奏の後に、イタリアに伝わる激しい舞曲、技巧的なタランテラが繰り広げられます。

ブラームス:ハンガリー舞曲2番(ヨアヒム編曲)
解説:吉田恭子
ヨハネス・ブラームス(1833〜1897)は、19世紀のドイツロマン派を代表する作曲家です。コントラバス奏者であった父親の影響を受け、幼い頃から音楽に親しみ、ピアノニストとして、また指揮者として活躍しました。「ハンガリー舞曲」は友人であったハンガリーのヴァイオリニスト、レメー二の影響を強く受けた作品で、最初は2台のピアノの為に作曲されました。(全4巻21曲) のちにブラームスは管弦楽用に編曲しますが、彼の友人であったヴァイオリニスト、ヨアヒムがさらにヴァイオリンとピアノのために編曲し、より広く親しまれるようになりました。

ラフマニノフ:祈り(クライスラー編曲)
解説:吉田恭子
セルゲイ・ラフマニノフ(1873〜1943)はロシアを代表するピアニストまた作曲家です。モスクワ音楽院で、ズヴェーレフに厳しい教えを受け、アントン・アレンスキーに和声を、セルゲイ・タネイエフに対位法を、ジロティにもピアノを学びました。ラフマニノフの最初の交響曲第1番は1897年に初演されましたが、この曲が批評家にさんざん酷評されてしまいます。 そしてこの失敗は、ラフマニノフに完全な自信喪失与えてしまいます。何年も作曲が出来ず音楽家として困難な時期のラフマニノフを救ったのは、精神科医ニコライ・ダール博士という人でした。彼の心理療法を受けることによってラフマニノフは、少しづつ自信を取り戻していきました。 その結果完成された作品が、有名なピアノ協奏曲第2番(1901年作)です。映画「逢びき」で用いられたことにより、さらに広く親しまれました。このピアノ協奏曲第2番2楽章を、友人であったヴァイオリニストのフリッツ・クライスラーが編曲し「祈り」と題しました。

チャイコフスキー:ワルツ=スケルツォop.34
解説:吉田恭子
チャイコフスキー(1840〜1893)は、メランコリックな旋律と絢爛豪華なオーケストレーションでたいへん人気の高いロシアを代表する音楽家です。「白鳥の湖」「眠れる森の美女」「くるみ割り人形」等、素晴らしいバレエ音楽を残していることでも知られています。このワルツ・スケルツォは、1877年に作曲され、翌78年に、パリで初演されました。ヴァイオリンの華やか技巧の中にもチャイコフスキーらしいロシア風の上品な曲想が特徴です。原曲は、オーケストラ伴奏ですが、ピアノ伴奏版も演奏される機会が多い作品です。

チャイコフスキー:ワルツ 弦楽セレナーデop.48より
解説:吉田恭子
1880年に作曲された「弦楽合奏のためのセレナード」は、今日最も愛されているチャイコフスキーの代表作の一つです。この作品はチャイコフスキーのモーツァルトに対する愛着から生まれました。「ソナチネ形式の小品」「ワルツ」「エレジー」「フィナーレ」の4つの楽章からなり、古典様式の中にもチャイコフスキーらしい甘美な旋律が魅力的な作品です。このソロヴァイオリン版は、第2楽章の「ワルツ」を、名ヴァイオリン奏者アウアーが編曲しました。

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Piano 演奏作品

ベートーヴェン:ロンド ハ長調op.51-1
解説:白石光隆
ロンドは宮廷で開かれていた舞踏会において使用された音楽。1つのテーマが何度も現れ、そのテーマとテーマの間に置かれたクープレと呼ばれる独創的なフレーズが聴きどころである。このハ長調のロンドop.51-1は、ハイドンとモーツァルトのエッセンスを融合したかの様な古典的作風。ただし即興の名手であったベートーヴェンの手腕が反映され、自由で修飾に溢れたエピソードが次々と展開されていく。ソナタや交響曲といった大規模な作品に見られる強い精神性と並んで、このような小品に漂う素朴な優しさもまた、ベートーヴェンの大きな魅力のひとつであろう。

ショパン:即興曲第2番嬰ヘ長調op.36
解説:白石光隆
ショパンの尽きることのない幻想を表現するために、即興曲はとてもふさわしい形式でしょう。 4曲残された即興曲は、いずれも気まぐれに湧き出すイマジネーションをそのまま楽譜にした様な仕上がりです。即興曲第2番は、穏やかな旋律が聞こえたかと思うと突然英雄的なマーチが響き、気が付いたら細かい音の乱舞に包まれるといった具合に、場面展開の目まぐるしさが特徴でしょう。しかし、しっかりとした構成力を備えたショパンらしく、思いつきの即興にとどまらないまとまりが感じられます。ショパンの少し前、シューベルトによって即興曲の歴史ははじまり、リスト、バルトーク、フォーレ、プーランクらによって受け継がれましたが、ピアノ曲以外に特筆すべき即興曲が見当たらないのも何か不思議な気がします。

ショパン:ワルツ第2番変イ長調op.34-1「華麗なる円舞曲」
解説:白石光隆
ワルツはもともと、古いドイツのレントラーという舞曲を起源とし、時代により、国によりさまざまなスタイルに変化をしてきました。ショパン独自のスタイルによるワルツは三部形式{A-B-A)と呼ばれるスタイルで、幼少の頃から数曲の作品を残しています。有名な小犬のワルツもこの形式で書かれています。しかし1830年代、ショパンの20代に書かれた1〜5番のワルツは、当時、大流行していたウィンナーワルツのスタイルで書かれています。おそらく2度にわたって訪れたウィーンでの演奏旅行中に刺激を受けたものと思われます。ワルツ第2番は華麗なピアニズムに彩られたエレガントな作品で、サロンの寵児であったショパンの姿を彷彿とさせます。ちなみにショパンは、ヨハン・シュトラウスやランナーのウィンナーワルツは大嫌いだったそうです。

ラフマニノフ:前奏曲嬰ハ短調op.3-2
解説:白石光隆
ラフマニノフは非常に手が大きく13度という音程(ドからオクターヴ上のドを越えてラ)を楽につかむことができたと言われています。ちなみにこの記録はギネスブックにも載っています。前奏曲op.3-2は、モスクワ音楽院の学生であった頃の作品で、演奏中にその大きな手が宙を舞う様に見えることから、コンサートの度にリクエストが絶えなかったそうです。低音域の強打は、クレムリン宮殿の鐘の音を表しているという説から「鐘」という副題で呼ばれることもあります。ラフマニノフはその後、全ての長調と短調を使って嬰ハ短調を除く23曲の前奏曲を書き上げ、偉大な先輩バッハやショパンに続く24の前奏曲を完成させました。 同じロシアのスクリアビン、ショスタコーヴィッチなどにも同名の曲集があります。

フォーレ:舟歌第1番イ短調op.26
解説:白石光隆
ガブリエル・フォーレは近代フランス音楽の幕開け期に登場した重要な作曲家です。彼のピアノ作品は標題音楽ではなく、またソナタや組曲のような大形式のものでもなく、自らの詩情を内省的に伝えるような小品ばかりです。生涯にわたって書き続けられた13曲の舟歌は、ゴンドラがやわらかく揺れている様子や、波間で語らう恋人の情景を偲ばせながらも、その型にとらわれることなく抽象的な感覚の悦楽を提供してくれます。この舟歌第1番は、ピアノ作品では最も初期に発表されたものの一つで、チャーミングな旋律と優雅な響きが、洗練と節度をもって奏でられます。

ドビュッシー:月の光
解説:白石光隆
ヨーロッパ音楽(クラシック音楽)の黄金時代は18世紀を中心としていますが、主な大作曲家の多くがドイツ、オーストリア人でした。ドビュッシーは印象主義という、絵画から発展した考えを音楽創りに取り入れ、音楽の世界に新しい地平線を開いた偉大なフランスの作曲家です。色彩豊かな彼の作品は、同時代のもう一人のフランス人作曲家ラヴェルと共に当時の音楽界に多くの影響を与え、ドイツ系に偏った音楽史の流れを変えました。 月の光は彼の最も愛されている曲の一つで、美しくビロードのようなハーモニーとロマンチックでありながら透明で清冽なメロディーが印象的です。元々はピアノのために書かれた小曲集、ベルガマスク組曲の中の一曲ですが、その曲の魅力のために、ハープ、チェロ、ヴァイオリンや管楽器など多くの楽器に編曲され単独で演奏される事が多いです。

ドビュッシー:水の反映
解説:白石光隆
ドビュッシーは、それまでのドイツロマン派の作曲家たちのダイナミズムや陶酔ではなく、事物の瞬間的写実の中に本質を見い出した作曲家と言えよう。ピアノ組曲「版画」や交響組曲「海」などの傑作に引き続いて1905年に発表された映像第1集は、さらに表現力を充実させた堂々たる作品で、ドビュッシーが書き終えた後に出版社に宛てた手紙の中には、「この3曲からなる曲集は、ピアノ音楽においてシューマンの左、ショパンの右に、その位置を占めるものと確信している」という自信に満ちた言葉が書き残されている。第1曲目に置かれた「水の反映」は、水の揺らめき、そして光と影という映像を巧みなフィギュレーションによって表現した作品で、人間の持つ全ての感覚を目覚めさせてくれる。

ヘンデル:調子のよい鍛冶屋
解説:白石光隆
「水上の音楽」「メサイア」といった管弦楽曲や声楽曲を数多く残し、同時代のテレマンと並んでアイドル的な存在であったヘンデルは、ドイツでの修業時代からクラヴィコードとチェンバロの名手でもありました。全16曲の組曲に代表される鍵盤楽器作品には、そうした卓越した演奏技術が反映されています。「調子の良い鍛冶屋」は、組曲第5番の終曲として書かれた「エアと変奏」で、ヘンデルの鍵盤楽器作品の中で最も親しまれています。変奏を重ねるたびに音符が細かくなり、シンフォニックな響きを伴って華やかに終わります。「調子の良い鍛冶屋」というタイトルは、ヘンデルがたまたま雨宿りに飛び込んだ鍛冶屋の仕事を見て付けたといわれていますが、一方では、イギリスの出版社が、エアのステディなリズムからヒントを得て付けたという説もあり、本当の所はわかりません。

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Violoncello 演奏作品

バッハ:無伴奏チェロ組曲第6番より「プレリュード」
解説:渡部玄一
バッハは多くの優れた作品を残しましたが、この作品が日の目を見たのは20世紀の初めにスペインの大チェリスト、パブロ・カザルスが取り上げて聴衆の前で素晴らしい演奏をしてみせた後でした。作曲されてからおおよそ200年近くが過ぎていた頃です。これらの作品は多くのチェロのための曲の中でも特に内容が深く、そして演奏が難しいものの一つです。中でもこの6番は、現在使われている四本弦のチェロではなく五本弦のチェロのために書かれたもので、カザルスが現れるまでは演奏出来るものとはされていませんでした。「プレリュード」は気宇壮大で明るく力強い音楽です。

サン=サーンス:白鳥
解説:渡部玄一
「チェロといえばこの曲」と言われるほど有名な曲です。組曲「動物の謝肉祭」の中の一曲で、水面を滑る美しい白鳥を表現していてシンプルでありながら一分の隙もない名曲です。チェリストにとっては自分の腕前を知る試金石になっています。

フォーレ:エレジー
解説:渡部玄一
フォーレはフランスの作曲家でしたが、彼が活躍しはじめた頃のフランスは、芸術の中で音楽をそれほど高く評価せず、どちらかと言えば軽い楽しみのための音楽が主流でした。その様な風潮の中、フォーレは緻密で完成度の高い曲を書き続け、後の印象派の偉大なフランス人作曲家達への道筋を作りました。派手ではありませんが誠実で内面的な彼の音楽は、音楽の歴史の中で独特の評価をされており、特に彼の手になるレクイエムは、人間の作った最も美しい音楽の一つと言われています。エレジーは生涯を通して彼の好きだった楽器、チェロのために書かれたオリジナル曲です。美しく淡々とした曲想の中から彼の強い精神の力が響いてくるような、珠玉の小品です。

ラフマニノフ:チェロソナタト短調op.19より第3楽章「アンダンテ」
解説:渡部玄一
ラフマニノフ(1873〜1943)はロシア出身の作曲家にして世紀を代表にする名ピアニスト。彼の作品のほとんどがピアノかオーケストラのための曲ですが、この曲は、彼が上昇気運に乗った充実期の作品で、彼の友人のチェリスト、ブランドゥコノフのために書かれました。ピアノを華やかに活躍させながらも、チェロを十分に歌わせた大変魅力的な作品です。

カサド:親愛なる言葉
解説:渡部玄一
カサドは20世紀半ばに活躍をしていた名チェリストです。作曲も行ない、多くの素晴らしいチェロ曲を残しました。この作品は同じスペイン出身の大チェリスト、パブロ・カザルスに捧げられています。曲調はスペイン風の晴れやかさと情熱が込められています。

ファリャ:火祭りの踊り
解説:渡部玄一
ファリャは近代スペイン最大の作曲家です。この曲は元々バレー音楽「恋の魔術師」に入っている曲の一つですが、それをファリャがチェロとピアノのために編曲しました。激しいリズムに支えられたエキゾチックなメロディーが魅力的で、単独でよく演奏される人気曲です。強弱の唐突な大きな変化は映像でいえば近景、遠景の急激な変化をも想像させ、単純で短い曲の割には大変奥行きのある曲です。

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